脂肪は、人が活動するための大切なエネルギーであり、必要不可欠な栄養素です。しかし、摂りすぎると体内に蓄積され、生活習慣病を引き起こします。今回は、脂肪の種類や役割についてのお話です。(前半)
脂肪はダイエットの敵、健康の敵としてあまり良い印象はないかもしれません。
脂肪とは、どんなものなのでしょう。
私たちが食べた食品中の脂肪は、体内で4種類の脂肪に分解されてから吸収されます。
体内にある4種類の脂肪
『脂肪酸』→ すぐに使えるエネルギー源です。
『中性脂肪』→ 全体の脂肪のほとんどが、これです。
食事で摂った中性脂肪は小腸で分解、吸収されて、エネルギー源として血液に入り使われます。
使い切れず余った中性脂肪は、不足時のために蓄えられます。これが増えすぎると「脂肪肝」や「内臓脂肪」「皮下脂肪」となるのです。
『コレステロール』→ 細胞膜の構成成分。
ステロイドホルモンの材料、脂肪の消化を助ける胆汁酸の材料にもなります。
善玉(HDL)と、悪玉(LDL)がありますが、呼び名の違いは働きの違いによるもの。
LDLは、全身に必要なコレステロールを運ぶ重要な役割がありますが、増えすぎると血管壁に付着し、動脈硬化の原因になります。
これが「悪玉」と言われる所以です。
一方、HDLは血管に付着したLDLを取り去って肝臓に運ぶ働きをします。
『リン脂質』→ 細胞膜の構成部分。
疎水性物質の親和性を保たせます。