大腸がんが急速に増えています。
肺がんに次いで死亡率第2位のがんとなり、女性のがんによる死亡率は第1位。
最も身近ながんであり、誰もが緊急に予防しなければならない病気と言えるでしょう。
大腸は全長1.5~2m、直径5~7cmで、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸、肛門からなり、それらに発生するがんを大腸がんといいます。
発生する場所は直腸とS状結腸が多くなっています。
大腸がんの最も大きな原因とされているのが、食生活の欧米化です。
肉類やたんぱく質の摂取が多く野菜や穀物の摂取が減ると、高脂肪、低食物繊維となり、便秘の原因となります。
腸内の悪玉菌は、動物性脂肪や動物性たんぱく質を好み、発がん物質を産出します。
また、高脂肪の食事は、発がんを促す肥汁酸を大量に分泌させます。
食物繊維には有害物質を排出する効果がありますが、食物繊維不足で便秘になり発がん物質が腸内に長く留まることで、大腸がんが発生すると考えられています。
最近よく耳にする「腸内フローラ」という言葉。
大腸には約1000種類、約100兆個、総重量はなんと約1.0kgにも及ぶ細菌が棲んでいるといわれています。
この様子を花畑=floraに例えてこう呼ばれます。
【腸内細菌の種類や数は食事や生活習慣・人種・年齢などにより異なるため、「腸内フローラ」も人それぞれ違います。】
腸内細菌には、ビフィズス菌や乳酸菌をはじめとした善玉菌、有害な物質を産み出す悪玉菌、不調の時には悪玉菌に味方する「日和見菌」の3種類があります。
腸内フローラの様相は人それぞれのバランスで保たれていますが、悪玉菌が増えてバランスが崩れると老化を促進したり、発がん物質を作り出したりします。
善玉菌を増やし、大腸がんを予防するためには、野菜や海草などを意識して食べましょう。
納豆やぬか漬けなど、日本の伝統的な発酵食品も腸の健康に良いと注目されています。