今回は、すぐにわかるトランス脂肪酸についてのお話です。6回に分けてお話します。(第4話)
トランス脂肪酸のとりすぎにだけ注意すればいいの?
- トランス脂肪酸を日常的にとりすぎた場合には生活習慣病になるリ
スクが高くなりますが、食品に含まれている栄養素には、 同じようにとりすぎによって健康に悪影響を及ぼすものがあります 。 - 日本人において、一番の問題と考えられているのは、食塩のとりす
ぎです。食塩はいわゆる調味料の塩だけでなく、 しょうゆや味噌などの調味料や多くの加工食品にも含まれます。令 和元年(2019年)の厚生労働省の調査の概要〔外部リンク〕 では、日本人の1日あたりの食塩摂取量の平均は、 成人男性で10.9グラム、成人女性で9.3グラムでした。 また、日本人の食事摂取基準(2020年)〔外部リンク〕では、 食塩摂取量の目標量を、1日あたり成人男性7.5グラム未満、 成人女性6.5グラム未満としています。 食塩をとりすぎると高血圧やがん、 脳卒中のリスクが高くなるとされており、 減塩はこれらの生活習慣病の予防に有効であると考えられています 。 - 人間はエネルギーを脂質、炭水化物、
たんぱく質からとっています。総エネルギー摂取量のうち、 脂質から得るエネルギーの割合は「脂肪エネルギー比率」 と呼ばれています。この脂肪エネルギー比率が高くなると、 肥満やメタボリックシンドローム、 心臓病のリスクが高くなるとされています。 - 厚生労働省の調査では、令和元年(2019年)
には日本人の成人男性の約35.0%、成人女性の約44.4% で、脂肪エネルギー比率が目標量(総エネルギー摂取量の20% 以上30%未満)を超えていることが示されています。また、 近年、脂質をとりすぎている人の割合がだんだん増えています。 - 脂肪エネルギー比率が高いと、
飽和脂肪酸やトランス脂肪酸のとりすぎにつながる可能性がありま す。トランス脂肪酸だけではなく、飽和脂肪酸などを含めた脂質の とりすぎ、食塩のとりすぎにも十分に注意してください。
(出典:農林水産省HP)