<忘却の彼方>
身近な漢字には感慨深いものがあります。
例えば「息」という漢字は、心の上に自分の「自」が載っています。
普段、呼吸は自覚もされず、自動的になされていることが自然です。
それが「どうしよう」と思うようなことが起こると、一瞬にして呼吸は乱れます。息が止まりそうになり、息が浅くなります。
そのような状態になると、頭の中にも変化が起こります。
「どうしよう」と思った瞬間、頭の中が真っ白になります。すると大事なことが一つ、頭からこぼれてしまうようです。
物忘れの「忘」は、心の上に「亡くす」の「亡」が載っています。
困ったことに忘れてはならないことほど、瞬時に忘却の彼方へと去っていくようです。
忘れ物をする時も、同じようなプロセスを辿っているような気がします。
忘れてはいけないという思いを遮断する急用が飛び込んできて、意識の方向が変わったままとなり、その結果として忘れ物になるのです。
忘れ物は、スマホ疲れや睡眠不足でも起こり易くなります。
大事なことを記憶し続ける力、思い出す力が衰えていると感じたら「能活精」です。