今回は、すぐにわかるトランス脂肪酸についてのお話です。6回に分けてお話します。(第2話)
食品にはどうしてトランス脂肪酸が含まれているの?
トランス脂肪酸には、天然に食品中に含まれているものと、
天然にできるもの
- 天然の不飽和脂肪酸は、通常シス型で存在します。しかし、
牛や羊などの反芻(はんすう)動物では、 胃の中の微生物の働きによって、トランス脂肪酸が作られます。 そのため、牛肉や羊肉、 牛乳や乳製品の中には微量のトランス脂肪酸が天然に含まれていま す。
油脂の加工・精製でできるもの
- 常温で液体の植物油や魚油から、
半固体又は固体の油脂を製造する加工技術の一つに「水素添加」 があります。 水素を添加することで不飽和脂肪酸の二重結合の数が減り、 飽和脂肪酸の割合が増えますが、 これによってトランス脂肪酸ができることがあります。
- 部分的に水素添加した油脂を用いて作られたマーガリン、
ファットスプレッド、ショートニングや、 それらを原材料に使ったパン、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子、 揚げ物などに、トランス脂肪酸が含まれているものがあります。
- 植物や魚からとった油を精製する工程で、
好ましくない臭いを取り除くために高温で処理することにより、 油に含まれているシス型の不飽和脂肪酸からトランス脂肪酸ができ ることがあります。そこで、サラダ油などの精製した植物油にも、 微量のトランス脂肪酸が含まれているものがあります。
トランス脂肪酸にはたくさんの種類があるの?
-
- 不飽和脂肪酸には、鎖の長さや二重結合の数と位置によって、とて
もたくさんの種類があります。トランス脂肪酸も同じで、「 トランス脂肪酸」という名の脂肪酸が一種類だけあるのではなく、 トランス型の二重結合を1つ以上持つ、 たくさんの種類の不飽和脂肪酸をまとめてトランス脂肪酸と呼んで います。 - 植物油に天然に多く含まれるリノール酸は、
シス型の脂肪酸に分類されます。 このリノール酸と炭素の数及び二重結合の数が同じトランス脂肪酸 は、理論上3種類あります。トランス脂肪酸は、 炭素の鎖が長く二重結合の数が多いほど、 理論上多くの種類があることになりますが、 必ずしもそのすべてができるわけではありません。
- 不飽和脂肪酸には、鎖の長さや二重結合の数と位置によって、とて
(出典:農林水産省HP)