甲状腺の病気と東洋医学~梅雨時期の体の声を聴く~

甲状腺の病気は、東洋医学の視点から見ると「気」「血」「水」の巡りに深く関係していると考えられます。西洋医学では甲状腺ホルモンの分泌量に着目し、バセドウ病(甲状腺機能亢進症)や橋本病(甲状腺機能低下症)などと分類されますが、東洋医学ではこれらの状態を、「陰陽の偏り」や「気虚」「瘀血」「痰湿(たんしつ)」といった体質的アンバランスとしてとらえます。

甲状腺はのどの前にある小さな臓器ですが、「喉(のど)」は東洋医学では「咽(いん)」とも呼ばれ、“気の出入り口”として特に重視されます。気の流れが滞れば、喉のつまり感、イライラ、不眠、動悸などの症状が現れやすくなります。これは甲状腺の不調にもよく見られる症状と重なります。

また、「肝」と「腎」は甲状腺の働きと関連が深いとされ、「肝」は気血の流れを調整し、「腎」は成長・発育・ホルモンを司ります。ストレスや過労、睡眠不足はこれらの臓腑を傷め、甲状腺のバランスを乱す原因となります。

さらに、「痰湿(たんしつ)」という病理産物も甲状腺疾患にしばしば関与しています。これは、体の中に余分な水分や老廃物がたまって流れが悪くなった状態で、東洋医学では“湿気の停滞”として捉えられます。とくに体質的に冷えやすく、代謝が落ちている方は、この痰湿が喉周辺に集まり、「腫れ」「しこり」「重だるさ」として現れることがあります。

そして、この「痰湿」を悪化させる代表的な季節が、まさに梅雨の時期なのです。

梅雨と甲状腺の関係~湿と気の巡り~

梅雨は「湿邪(しつじゃ)」という外邪が盛んになる季節です。空気中の湿気が多くなると、体の中の水分代謝も乱れやすくなります。とくに「脾(ひ)」という消化吸収に関わる臓腑が弱い人は、湿気に弱く、痰湿を生みやすい体質になります。

このような体質の方は、梅雨の時期になると身体が重だるく感じたり、むくみやすくなったり、気分がふさぎやすくなります。東洋医学ではこれを「気の巡りの停滞」「湿の停滞」とし、結果として甲状腺周辺に違和感や腫れを感じる人も少なくありません。

また、湿気は「気」の巡りを阻害しやすいため、イライラ、不安、集中力の低下といった“気の乱れ”の症状も出やすくなります。これらは、甲状腺機能が不安定な人によく見られる精神的症状ともリンクしています。

東洋医学的な梅雨の養生法

この時期に大切なのは、「脾を守り、湿を取り除く」こと、そして「気を巡らせ、冷やさない」ことです。以下のような養生が役立ちます。

食養生:はと麦、とうもろこし、小豆、ショウガ、紫蘇、黒豆など利水・健脾作用のある食材を積極的に。冷たい飲食は控えめに。

運動・発汗:軽いストレッチや散歩、半身浴などで体を温め、巡りを促す。

香りの活用:ミント、柑橘類、ラベンダーなど、気を巡らせる香りを生活に取り入れる。

漢方・波動ケア:個々の体質に合わせて、痰湿を取り除く漢方薬や、気の流れを整える波動療法も非常に有効です。

おわりに

甲状腺の病気は単なるホルモンの問題にとどまらず、心身のバランスや気候との関係も深いものです。とくに梅雨のような湿気の多い季節は、体の内側に“湿”がこもりやすく、東洋医学的なアプローチが効果を発揮しやすい時期でもあります。

あなたの体は、いつも「小さなサイン」でバランスの乱れを教えてくれています。梅雨時の不調や喉の違和感に気づいたときこそ、自分自身の体質と向き合う絶好のチャンスです。東洋医学の知恵を日々の養生に取り入れて、内側から整った毎日をお過ごしください

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