■梅雨明けに気をつけたいこと【その3】

エアコンと外気のギャップが“脾”を傷めます

梅雨が明けると、外は真夏のような強い日差しと蒸し暑さが広がり、室内ではエアコンが活躍しはじめます。このような急激な温度・湿度の変化にさらされる季節こそ、東洋医学で「脾(ひ)」の働きに注意したい時期です。

脾は、飲食物を消化吸収して、身体に必要な“気(き)”や“血(けつ)”を作り出す大切な存在です。いわば、私たちのエネルギー製造工場のような役割を担っています。しかし、湿気と冷えに弱く、外の蒸し暑さと室内の冷えを繰り返すような環境では、非常にダメージを受けやすいのです。

梅雨から夏にかけて、「食欲が落ちる」「お腹が張る」「胃がムカムカする」などの消化器系の不調が現れやすくなるのは、まさにこの脾の不調が関係しています。また、脾は“水湿”の運搬にも関わっているため、その働きが弱まると体に余分な水分が滞り、「むくみ」や「だるさ」にもつながります。

この時期にまず気をつけたいのは、「冷たいものの摂りすぎ」。暑いからといって、冷たい飲み物やアイス、冷やし麺などばかり摂っていると、脾はどんどん冷えて働きが鈍ります。すると、エネルギーがうまく作れず、夏バテのような状態に陥ってしまうのです。

おすすめは、温かくて消化にやさしい食事。たとえば、具だくさんのお味噌汁や、温かいおかゆ、蒸し野菜などを取り入れて、脾を優しく助けてあげましょう。また、エアコンは直接体に当てず、設定温度も「冷やしすぎない」ことが養生の基本です。

“夏バテ”は突然起こるのではなく、体内に少しずつ積もった冷えと湿の結果。小さな不調を見逃さず、脾をいたわる生活を意識してみてくださいね。

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